どのような働き方や収入が可能か
といった内容を中心に、業務委託のアパレルデザイナーになるために知っておいた方がいいことを紹介します。
Table of Contents
業務委託のアパレルデザイナーの仕事内容
業務委託のアパレルデザイナーの仕事内容は
・絵型をもとに営業担当者と一緒に生地を選ぶ
・工場でサンプルを作るための設計図を作る
・サンプルを見て必要に応じて修正する(通常1〜2回)
というのが一般的な内容です。工場で生産に入る前までの工程を担当します。
単にオーダーに応じたデザインを作るという作業をするのではなく、クライアントとの商談や打ち合わせへの参加も必要です。
業務委託のアパレルデザイナーに求められるスキル
業務委託のアパレルデザイナーにはデザインのスキルは当然求められますし、イラストレーターを使って業務ができることも最近では必須になりつつあります。業界経験のある20〜30代のデザイナーはほぼ使えるはずですが、中高年のデザイナーでこれまでずっと企業に所属していた方の場合、手書き等でのデザインでずっとやってこられた方もいるかもしれません。そういった方の場合、素のままだと業務委託のアパレルデザイナーとして受けられる仕事が非常に少ない可能性があります。
デザインができる・イラストレーターを使えるというのは必須条件ですが、さらにクライアントの商談に立ち会うことや打ち合わせの内容からニーズの具現化をすることが求められます。業務委託のアパレルデザイナーにはコミュニケーション能力と理解力、提案力が必要です。仕事を円滑に進めるために必要なスキルになります。
業務委託のアパレルデザイナーとして歓迎される経歴
デザイナーのスキルを判断する場合に、デザインそのものはこれまでのポートフォリオを見れば理解できます。しかし、仕事を円滑に進められるかに関しては、なかなか面接の段階ではわかりません。そこで、多くのクライアントが重視するのはデザイナーの経歴です。
今歓迎される業務委託のアパレルデザイナーのペルソナは以下です。
・繊維商社やOEMメーカーという工場に近いところで企画提案をされていた方
・生地のコスト感を理解し、生地の提案もできる
業界経験に関しては、経験年数に加えて「あのブランド大変だよねと認識されているところのデザインをいくつやっていたか」ということも重視されます。クイックな対応が必要かつ短サイクルな商品開発を行っているブランドを一つでもやっていれば、採用選考上の強みになるはずです。売れ筋を作った経験も好材料になります。ブランドからは「今までどこやってました?」と必ず聞かれるので、これまでの担当ブランドや公開できるポートフォリオをまとめておきましょう。
繊維商社やOEMメーカーに務めていた人は、生地等の素材のコスト感を理解した上での提案ができることから歓迎されます。ただし、OEMの案件に偏っていると判断されてしまうと「仕様書に合わせて作っていただけ」とみなされて、なかなか選考に通りづらいです。OEMというよりはODMのように「持ち込み企画でデザインを担当できる」という実績を示す必要があります。単に担当者名やブランドを提示するだけでなく、業務範囲や仕事への取り組み方もわかるように経歴のアピールを心がけましょう。
業務委託のアパレルデザイナーとして必要な姿勢
クライアントが業務委託のアパレルデザイナーに対して求めるのは、経験豊富で高い技術力があることだけではありません。あえて外部の人を用いることで、社員では生まれない視点での議論や他のブランドを知っていることでの幅広い提案などにメリットを感じています。
だから、デザイナーがこれまで担当していたブランドの方向性というものはそれほど重視されません。例えばコンサバ系ブランドとカワイイ系のブランドを同時に担当している業務委託のアパレルデザイナーは普通にいますし、ブランドによってスイッチを切り替えられる人がむしろ重宝されます。様々なブランドを知っていることで、客観的にブランドの比較や意見を伝えられると考えられるからです。
とはいえ、若いデザイナーだとそれほど多様な経験を積んでいない人も多いでしょう。若くてキャリアがない人でもターゲットが若めのブランドならチャンスがあります。キャリアがあるデザイナーは年齢も30代、40代と上がっていくので、どんなに技術や企画力があってもリサーチや感性の面で厳しくなるのが自然です。若いデザイナーに対しては経験よりもリサーチや感性に期待しているクライアントが多いので、まずは応募するターゲットを若めのブランドに絞るのがおすすめです。
あとはやはり熱意やコミュニケーション能力など、一緒に仕事を進めやすい人かどうかも重視されます。業界で「あのブランドは大変」と認識されているブランドを担当した経験があれば「根気強い人」「面倒なやりとりに免疫がついている人」と評価されやすいです。
案件を担当していく中で「営業飛ばしてあの業務委託のアパレルデザイナーさんだけ打ち合わせに来てくれればいい」となれば、クライアントからの信頼を勝ち得たといえるので、そういった存在を目指すのが安定した生活を築く近道といえます。
また専門性を持ちつつブランドの立場に立てて入り込める人も重宝されます。積極的に議論に参加したり、主体的に企画提案を行えばもっと多くの仕事を任せてもらえる可能性があります。そのためには担当しているブランドを好きになることも大切です。
業務委託のアパレルデザイナーの働き方
業務委託のアパレルデザイナーは正社員と違い、打ち合わせのアポ時間だけが必須の拘束時間であとは自分の裁量で納期内に業務を終わらせるという働き方です。ただし、逆に言うと24時間365日対応しなければならない可能性もあります。
生産拠点が海外にある等で土日や深夜に連絡を取らなければいけないケースだと、正社員に対しては残業代や休日出勤手当を払わなければなりません。だから、追加費用が発生しない業務委託のアパレルデザイナーに任せたいと考えるブランドは多いです。つまり、土日対応できると業務委託のアパレルデザイナーとしての採用率が上がります。
24時間365日だと大変と感じるかもしれませんが、実際の稼働日は一般的に週2〜3日です。打ち合わせの時間や働き方に関しても、最初はクライアントの要望通りにして、徐々に自分のやり方に巻き込んでいくことで働きやすさを実現している人は多くいます。例えば契約当初は打ち合わせが18時以降だったのが、子供の保育園の送り迎えに合わせて13時からにしてもらったなど。クライアントに信頼されることで要望も通りやすくなります。
業務委託のアパレルデザイナーの収入
週2〜3日の稼働で20〜30万というのが大体の相場です。もう少し細かい業務に分けると仕様書だと1万円前後、修正2回こみで1万5千円くらいを目安にすると良いでしょう。あとは業務負荷に応じてプラスの交渉をしていくこともが可能です。
業務委託のアパレルデザイナーのいいところは、他業界の業務委託に比べて支払サイクルが早いことです。一般的に当月締めの翌15日払いのような感じなので、仕事をした分の報酬はすぐに手に入れられます。
企業側で源泉徴収はせずに支払調書だけを発行するケースが多いので、確定申告は業務委託のアパレルデザイナー側で行う必要があります。
業務委託のアパレルデザイナーとして採用されれば理想の収入も働き方も実現できる
業務委託のアパレルデザイナーは社員として会社で働いていた時代よりも、在宅なので自分のための時間を作れるようになり収入もアップできる可能性が高い働き方です。ただし、その分常に必要とされるように責任感を持って案件に取り組む必要があります。常に案件を発注してもらい安定して自由な生活を継続させるために、自分の価値を上げる取り組みも行っていきましょう。