華やかに見えるアパレル業界ですが、その裏でアパレル業界を支えて活躍する人の存在が欠かせません。
その中でも生産管理の方の存在がなければ成り立たないと言っていいほど大事な存在です。
しかし、その生産管理のお仕事の実態などについては知られていませんよね?
今日はアパレルの生産管理のお仕事についてお伝えをします。
Table of Contents
アパレルの生産管理とは
アパレル業界の生産管理とは、商品の品質を落とさないように管理をしたり、
品質を落とさずに効率的に商品生産をする仕組み作りをする職種です。
その仕事は多岐にわたります。
<主な仕事>
・工場の選定(価格と品質のバランスが取れた工場を選定)
・素材や品質の確認、検査
・製品の品質チェック
・生産スケジュール組み
・納期管理
・素材調達
・価格決定
・技術の管理、指導
など
商品を生産するために必要な工程を管理する核となる存在です。
生産管理の人たちの存在がなければ、安定した品質の商品を商品発売に合わせて販売することができません。
アパレルの生産管理の活躍の場は大きく分けると2つです。
また、この2つでアパレルの生産管理と言っても仕事内容が変わってきます。
①アパレル企業の生産管理
生産工場の選定・管理、素材の調達管理・価格決定・納期管理・品質チェックなど。
②OEM企業の生産管理(商品の生産をする会社で商社やメーカーなど)
生産現場での工程・納期管理・品質チェック・技術、設備管理など。
では、次から生産管理のお仕事を具体的お伝えしていきますね。
アパレル生産管理の仕事内容
生産管理が具体的にどんなお仕事をしているか業務別にお伝えをします。
①生産計画の立案
オーダーが出たら生産期間や数量に対して納期までのスケジュールを逆算して組み立てます。
ブランドのMDが立てた販売計画を元に商品ごとのスケジュールを決めます。
複数の商品を生産していくため、なるべく無駄を出さず納期に合わせて生産をするにはどう生産するのが効率的か。
しっかりとスケジュール組みをする必要があります。
そのためには、商品によって生産期間が長く取られるものもあるので製品や縫製の知識も必要です。
また、生産計画には日本の祝日だけでなく、海外の祝日も関わるのでその辺りもしっかりチェックしましょう。
②縫製工場の選定
商品の特性に合わせた工場を選定していきます。
縫製工場ならなんでも縫えるということではありません。
・アイテム
・素材
・価格帯
・数量
・生産地
などによっても工場は変わってきます。
また、特殊な素材や技術を必要とするアイテムはその技術を兼ね備えた工場へ依頼する必要があります。
少し前までは中国生産が主流でしたが、大量生産をするブランドではコストを抑えるために約10年ほど前から東南アジアの工場で生産する企業も増えています。
中国語に合わせて英語などの語学も堪能だと確約の場が広がります。
生産する工場を決定したら、
・納期
・数量
・コスト
などの情報を伝え、仕様の説明や縫製の注意点について打ち合わせをします。
③素材・副資材の調達
商品数に合わせて必要な素材や副資材を調達します。
<素材>
・表地
・裏地
・ボタンやファスナーなどの付属
<主な副資材>
・洗濯ネーム
・ブランドネーム
・下げ札
・アテンションタグ
など
商品価格は決まっている中で利益をどれだけ残すかがポイントです。
そのため、製品自体のコストも大事ですが、素材や副資材もクオリティーを担保しながら
いかにコストを抑えられるか調整するのも生産管理の仕事です。
これらは工場に依頼する場合もあれば付属屋さんに依頼する場合もあります。
工場に依頼した方がコストが抑えられますが、
クオリティー重視の場合やブランド指定の付属屋さんがある場合は付属屋さんに依頼をします。
また、この副資材の調達が遅れると生産納期にも影響することからとても大事な仕事の一つです。
④進捗管理
工場に生産が予定通り進んでいるかを確認します。
事前に「この納期で」と伝えていても、予定通り進んでいるとは限りません。こまめに工場に連絡をして進捗の確認が必要です。
進捗管理と合わせ、商品が規定のクオリティーを維持して生産されているかのチェックも必要です。
工場や検品所と連携をして情報共有をしましょう。
生産途中で予期せぬトラブルが発生する場合もありますが、その場合は関係各所に速やかに連絡をして対処をします。
トラブルを最小限にするためには、工場との密なコミュニケーションや明確な指示で情報共有することと速やかな対応です。
⑤納期管理
無事に納品できるかまでを確認するのが生産管理の仕事です。
・縫製が順調か
・検品はどれくらい終わったか
・無事に出荷されたか
・無事に船や飛行機が出たか
・無事に指定倉庫に入ったか
などスケジュール通りに進んでいるかを逐一確認します。
この点でも予期せぬトラブルが起きる場合があります。
その場合は、進捗管理と同様に速やかに関係者に連絡をとって速やかな対応が必要です。
アパレル生産管理のやりがい
アパレル生産管理のお仕事を紹介しましたが、生産管理にはどんなやりがいがあるのでしょうか?
生産管理のお仕事のやりがいを紹介します。
①製品生産から納品までに関われる
一番のやりがいは商品の生産から納品までの一環した工程に関われることです。
お伝えをした通り、生産管理のお仕事はどの工程が抜けても無事に商品の納品が行われません。
生産計画を立てるところから、進捗確認、トラブル対応まで様々な対応をします。
また、複数の商品の生産管理を並行して行うため、その中でなるべくトラブルが少なく無事に納品できた時のやりがいは大きいです。
②様々な仕事の調整役である
生産管理の仕事は社内だけにとどまらず、取引先や工場など多くの人とのコミュニケーションの上に成り立っています。
客先と工場の間に入って納期やコスト交渉をおこなったり調整を行うため、日々電話やメール、打ち合わせなどのコミュニケーションが欠かせません。
双方の間に入って交渉がうまく取れ、調整が取れた時のやりがいはとても大きいです。
③トレンドの商品や技術を先に見れる
アパレル業界の最新の素材や商品、技術を先に見ることができるのはファッション好きにとっては醍醐味です。
日々できるだけコストを抑えて生産をしたり、資材調達をする役割もあるため
・展示会視察
・工場視察
・生地屋視察
・企業訪問
などから様々な場所へ情報収集にいきます。
国内の情報で足りない場合は海外へ足を運んで情報収集するため、
最新のトレンドや技術を知ることができます。
④海外とのやりとりが多い
最近は海外生産が主流となっているため、海外の工場や企業の人とのコミュニケーションも多いです。
特に語学ができると、活躍の場が広がりグローバルに仕事できる点もやりがいを感じるでしょう。
アパレル生産管理に向いている人
生産管理のお仕事に興味が湧いてきましたか?
ここでは、どんな人がアパレル生産管理に向いているかお伝えします。
①コミュニケーションをとるのが好き
生産管理の仕事は社内だけでなく、取引先や海外も含めた工場とのやりとりが多いです。
単なる納期設定だけでなく、社内外から
・急なスケジュール変更による納期変更
・仕様やデザイン変更
・トラブル発生
など
予期せぬ要望も出てきます。
それに対するコミュニケーション一つ一つが仕事に大きく影響を与えるため、いかにスムーズに調整できるかが問われます。
工場や仕入れ先にとっても急な変更はあまり歓迎されることではないため、
無理をお願いしても聞いてもらえるような関係性を日頃から作ることが大事です。
また、日頃から調整役として交渉をすることも多いことから、交渉能力も重要です。
②生地や素材そのものに興味がある
縫製の知識や素材に関する専門的知識は必須です。
工場とやりとりをする際には、素材名やデザイン、仕様面の専門用語が飛び交うため、
専門用語を知らないとコミュニケーションができません。
また、各素材や仕様の特徴を知っておくことも重要です。
どんな素材を使用するとどんな懸念点があるかなど細かく知ってこくことでトラブルも事前に防げることがあります。
③几帳面な性格
生産スケジュール組みから納品まで全ての工程の調整役であることから、どの工程でも抜けがあってはいけません。
スケジュールを細かく管理するためには几帳面な性格が向いています。
また、日本は世界で最も品質基準の高い国です。
特に百貨店や量販店にはそれぞれの基準が設けられており、その基準をクリアする必要があります。
素材や縫製面含めて基準を達成しているのかチェックするためにも几帳面な性格の方が向いています。
アパレル生産管理におすすめの資格
ここまで生産管理のお仕事には多くの知識が必要だということをお話ししてきて、
生産管理になるためには資格が必要なの?と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
資格が必須ではないですが、持っておくことで有利になることはあります。
その中でおすすめの2つの資格についてお伝えします。
①繊維製品品質管理士(TES)
アパレル・繊維業界の企業活動の合理化・消費者利益の保護・企業と消費者の信頼関係の改善を図ることを目的として、商品企画・商品仕入・品質の設定や判定を行うといった任務を遂行できるような素養を身につけた人に与えられる資格です。
②衣料管理士(TA)
繊維製品に関する素材および生産・流通・消費等の分野を体系的に学び、ファッションのアパレルからインテリア用品、雑貨まで、繊維製品の企画・設計/販売/品質保証/消費者対応について、豊富な知識と技術、知恵と工夫を活かして、人々に貢献するプロフェッショナルです。
衣料管理士は養成大学や専門学校の卒業生に与えられるのに対して、TESは資格認定試験を受験する必要があるので注意です。
また、TESは社会で働く幅広い人たちが取得しているのが特徴です。
アパレル生産管理のきつい側面とは
生産管理の仕事はやりがいのある仕事ではありますが、大変な面が多いです。
ここでは、生産管理のつらさや大変さを紹介します。
①客先と仕入れ先との間に入って板挟み
客先や社内の営業からの要望で
「納期を1週間早めて」
という場面は日常茶飯事です。
その度に工場と交渉するわけですが、その交渉でも工場の言い分もあって常に板挟み状態です。
そこをうまく交渉&調整し要望に近い状態で納品をすることが生産管理の仕事です。
②何があっても納期厳守
ビジネスの場で納期を守ることは当たり前のことですが、これが一番難しいです。
全て予定通りに行くようにスケジュール組みを念入りにしても、生産から納品までにかけて何も問題なく
スムーズに行くことの方が稀だと思った方が良いです。
・生地不良があった
・製品不良が出た
・納期が早まった
・天候不良で船が出ない
など様々なことが事が降って掛かってきて最後まで気が抜けません。
それでも、客先にとっては関係のないことで「無事に納品をしてくれればいいですよ。」というスタンスです。
そのため、どうしたらいかに納期に合わせて納品をすることができるか。
生産管理はあらゆる手段を使って顧客の要求に合わせて対応する知恵と力が必要です。
③成果がわかりにくい
生産管理は重要な仕事でありやりがいもある仕事ですが、無理な要求が多い反面、納期厳守は当たり前と思われているため感謝されにくいのと、
日々客先や工場との調整役になっていたり、客先に怒られて謝ったりと火消し役よして奔走していることも多くバタバタしているうちに1日が終わってたということもザラです。
また、営業や企画のように営業したり、企画したものが売上に直結するような職種でもないため、成果が見えにくいです。
いかに自分や会社にとって価値のある仕事をどれだけできるかを意識しながら仕事をしていくことが重要です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は生産管理の仕事についてお伝えをしました。
大変な仕事ではありますが、アパレル業界の要となる職種です。
交渉や調整が得意な方は自分の強みを発揮してやりがいを持ってできる仕事なのでオススメです。
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